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【部下のメンタル不調のサイン】早期発見と対処の方法を解説!

メンタル不調

従業員のメンタル不調は生産性の低下や職場の雰囲気の悪化につながり、企業全体の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、上司が部下の不調のサインを早期発見し、適切な対処を行なうことが重要です。

本記事では、部下のメンタル不調のサイン(チェックリスト)と、上司としての対応方法について詳しく解説します。また、私がメンタルヘルス研修でこのテーマを取り扱った際の、受講生の感想も紹介します。

メンタル不調とは

メンタル不調について、厚生労働省では以下のような定義をしています。

メンタル不調は誰にでも起こり得るものです。調査によって若干の差はありますが、一般的には一生涯のうちにうつ病にかかる人の割合は10人~15人に1人程度もいると言われています。

部下のメンタル不調早期発見のためのチェックリスト

部下の様子がおかしいなと思ったら、以下のチェックリストを参考に、メンタル不調に陥っていないか確認しましょう。

不眠

(1) 勤務態度の変化

✅ 遅刻や欠勤が増えた(特に月曜日や休み明け)。
✅ 仕事のミスが増えたり、作業スピードが遅くなったりした。
✅ 報告・連絡・相談が減った。または非常に増えた。
✅ 同じ作業を繰り返し確認するなど、過度に慎重になった。
✅ ぼーっとしていることが増え、集中力が続かない様子がある。

(2) コミュニケーションの変化

✅ 話しかけても反応が鈍い。会話自体が減った。
✅ 以前よりイライラしやすくなり、怒りを表すようになった。
✅ 冗談や雑談にあまり反応しなくなった。
✅ 休憩時や終業後の同僚との関わりが減った(一緒に食事に行かなくなるなど)。

(3) 身体的な変化

✅ 顔色が悪い。目の下にクマができている。
✅ 体重が大幅に減った。または増えた。
✅ 頭痛や腹痛、めまいなどの体調不良を頻繁に訴えるようになった。

(5) 発言の変化

✅ 「疲れた」「やる気が出ない」など、心身が疲れていることを訴えるようになった。
✅ 「どうせ自分なんか…」「自分が悪い」など、自己否定的な発言が増えた。
✅ 「何をしても無駄」「もうどうでもいい」 」など、投げやりな発言をする。
✅ 「仕事がつらい」「辞めたい」と漏らすことがある。
✅ 「よく眠れない」「夜中に何度も目覚める」など、睡眠に問題があるとの発言がある。

(6) その他の変化

✅ 笑顔が減った。
✅ ため息が増えた。
✅ 以前は好きだった事に興味を示さなくなった。
✅ 服装や身だしなみに気を遣わなくなった。

以前はそうではなかったのに、これらのサインが複数現われるようになった場合には、メンタル不調に陥っていると考えられます。

  • 2〜3項目に該当する場合 → 注意しながら見守り、声をかける。
  • 4〜6項目に該当する場合 → 本人と面談し、業務量や勤務状況の調整を検討する。
  • 7項目以上該当する場合 → 産業医や人事部と連携し、専門的な対応を検討する。

特に、睡眠のトラブルが2週間以上続いたり、死に関する発言が聞かれたりした場合にはうつ病が強く疑われますので、早急に医療機関を受診させることが望ましいです。

部下のメンタル不調を見出したときの上司の対処法

傾聴

部下のメンタル不調は、早期に発見して適切に対処するならば、軽いうちに回復します。しかし、対処や治療が遅れると回復までに長期間かかりますし、自傷行為や自殺などの危険も増加していきます。早めに対処しましょう。

具体的には、以下のような対処をします。

(1) 受容的・共感的に話を聴く

メンタル不調の多くはうつ病などの精神疾患や自律神経の乱れなどが関係しています。気合でどうにかできるものではありません。ですから、「根性をたたき直してやる」的な態度ではなく、従業員の話に耳を傾け、つらい気持ちを理解して寄り添う共感的な態度で接しましょう。

どのように声をかけるかについては、この後の項目で解説します(→「メンタル不調が疑われる部下への最初の声かけ」)。

(2) 専門家への相談を勧める

うつ病や適応障害が疑われるケースでは、専門家による診断と治療が必須です。社内に産業医やカウンセラーがいる場合は、早期に連携しましょう。いない場合には、外部の医療機関への受診を勧めます。

(3) 仕事内容や環境の調整

業務量を一時的に軽減したり、リモートワークや時短勤務を許可したりすることで、従業員の負担を軽減します。

なお、この対策は専門家に助言を仰ぎながら行なうことが望ましいです。

メンタル不調が疑われる部下への最初の声かけ

相談

まずは、「ちょっと話をしよう」と誘い、会議室など、他の人に話を聞かれる恐れがない1対1の環境で話を聴きます。

その際の最初の声かけとしておすすめなのが、「私の目には、最近あなたが少しつらそうに見えるんだ」と、自分の感想を述べます。

そして、その根拠として、以前とは違っている様子を挙げていきます。

それから「気持ちと体とか、つらかったりしんどかったりしていないかい?」と尋ね、自分で心身の不調について話をしてもらいます。

その際、励ましたりアドバイスしたりするよりも、まずは相手の話を聴いて、そのつらさに寄り添うことを心がけましょう。また、つらい中でもこうやって出勤して働いてくれていることにも、ねぎらいの言葉をかけましょう。

つらさに寄り添う言葉の例

「それはつらいよね」「しんどいよね」「苦しかったね」「それはどんなにかしんどいだろうなぁ」

ねぎらいの言葉の例

「つらい中で、それでもこうして働いてくれているんだね」「それなのに、休まずがんばってきたんだなぁ」

従業員のメンタル不調早期発見のための企業の取り組み

指導

早期にメンタル不調を発見するためには、日頃からの観察とコミュニケーションが欠かせません。以下の方法を実践してみてください。

(1) 定期的なヒアリングの実施

直属の上司や人事部が、定期的に従業員と1対1の面談を行ない、業務や私生活における困りごとを聞く場を設けます。

(2) メンタルヘルスチェックツールの活用

厚生労働省が提供する「ストレスチェック制度」を活用し、従業員のストレス状態を定期的に把握します。

(3) 従業員同士の信頼関係の構築

誰にも相談できず一人で悩みを抱え込むことがないよう、悩みが軽いうちに同僚や上司に気軽に相談できる雰囲気作りが大切です。そのためには、特に上司の意識改革が鍵となります。たとえば、次のような取り組みを検討してみましょう。

  • 上述の定期的な公式面談以外にも、上司が部下に折に触れて声をかけ、困っていることや悩んでいること、不満に思っていることがないか尋ねます。
  • 上司が部下の話を遮らず、最後まで聞く姿勢を示します。
  • 部下の意見や考えを否定したり、軽く見たり、バカにしたりせず、真剣に受け止めます。
  • 部下の気持ちとそう感じる理由を聴き取り、その気持ちに寄り添う(共感する)姿勢を示します。
  • 部下の悩みを単なる愚痴として片付けず、一緒に解決策を考える姿勢を見せます。
  • 上司自身が部下に悩みを相談したり、自身の失敗談を話したりすることで、部下も気軽に相談できるようになります。

(4) メンタルヘルス研修の実施

管理職・上司向けのメンタルヘルス研修では、メンタル不調に関する基礎的な知識や意識改革のほか、「早期発見のチェック項目」「メンタル不調が疑われる部下への具体的な声かけ」「メンタル不調を訴える部下の話の聴き方」などのスキルを学びます。

一般社員向けのメンタルヘルス研修では、「メンタル不調に陥らないための留意点」「ストレス解消法」「自己チェックの方法」「メンタル不調を覚えた際の対処法」などを学びます。

さらに、メンタル不調を訴える従業員の家族向けの講演会などを企画しても良いでしょう。

メンタルヘルス研修受講者の感想

研修

以下は、私がこれまで実施してきたメンタルヘルス研修を受講された方々の感想です。

Aさん(団体職員)

「悩んでいる同僚の話の聴き方を学び、さっそく職場で実践してみました。チームの雰囲気が良くなった気がします。」

Bさん(管理職)

「従業員のメンタルヘルスにとって、上司の責任の重さを再認識しました。今後は部下への対応を変えていきたいと思います。」

Cさん(人事担当者)

「従業員数が少ないため、これまでストレスチェックを実施していませんでしたが、研修を受けて導入の方向で検討を始めました。」

まとめ

連絡してね

従業員のメンタル不調を早期に発見して適切に対処することは、従業員個人の生活の質を保証するだけでなく、企業全体の成長のためにも重要です。メンタルヘルス対策の一環として研修を導入することで、メンタル不調の早期発見や適切な対処に関するスキルを身につけることができます。

私は、福島県須賀川市や郡山市を中心に、福島県内や近隣県の企業・団体・施設でメンタルヘルス研修の講師を務めてきました。ご興味のある研修担当者さまは、ぜひお気軽にお問い合わせください。ご連絡は、以下の公式サイトからお願いいたします。
 → オアシス・カウンセリング・サービス公式サイト

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