【セルフイメージと仕事のパフォーマンスの関係】メンタルヘルス研修の内容と感想
企業の成長において、従業員一人ひとりの仕事のパフォーマンス向上は欠かせません。そして、そのパフォーマンスに大きな影響を与えるのが「セルフイメージ」です。
セルフイメージとは、自分自身に対して抱いているイメージや自己評価のことです。そして、セルフイメージが高いほど、仕事へのモチベーションや生産性が高まることがわかっています。
この記事では、セルフイメージと仕事のパフォーマンスの関係性について解説するとともに、私が行なっているセルフイメージに関するメンタルヘルス研修の内容と、それに関する受講生の感想をご紹介します。
目次
セルフイメージとパフォーマンスの関係
セルフイメージが高い人の特徴
自分の能力や特性を肯定的に捉えています。そのため、
- 新しい業務に対して前向きに挑戦します。
- プロジェクトや作業が計画通りに進まなくても、やる気を失わずにあの手この手で対策して完遂しようとします。
- 失敗は自分の価値が否定されることでは無く、成長のチャンスととらえます。ですから、失敗しても長く落ち込むことをせず、すぐに立ち直って再挑戦したり、カバーしたりします。
- 自分を高めるための勉強や訓練を熱心に行ないます。
- 積極的に提案を行なったり、会議で発言したりします。
セルフイメージが低い人の特徴
自分の能力や特性に自信がありません。そのため、
- 失敗は自分のダメさ加減を明らかにすることだと恐れています。そのため、言われたこと以外の業務を行なったり、積極的に提案したり、会議で意見を述べたりしません。
- プロジェクトや作業が計画通りに進まないと、途端にやる気を失います。
- 失敗すると落ち込んで立ち直れなくなり、失敗をカバーするための適切な行動ができません。
セルフイメージが高い人は他の人もほめられる
セルフイメージが高い人は、自分だけでなく他の人の良い点や可能性にも目を向けることができます。そして、さわやかにほめたり、認めたり、可能性を指摘して励ましたりできます。そこで、部下がやる気を引き出されたり、チーム全体の雰囲気が良くなったりして、生産性が向上します。
セルフイメージを高める具体的な方法
私は、福島県須賀川市を拠点に、郡山市や福島市など福島県内、また山形・宮城・栃木など近隣県の企業・団体・施設様でメンタルヘルス研修の講師を務めています。最近では、以下のような実践的な方法を紹介しました。
(1) 成功体験の振り返り
メンタルヘルスを向上させる手法の一つに「グッド・スリー・シングス」があります。これは夜寝る前に、その日良かったことをノートに3つ書き出し、それらを読み返してから就寝するというものです。
これを応用し、その日の成功体験を3つ書き出します。計画・予定通りにやれたこと、上司・同僚・顧客に認められたりほめられたりしたことなどです。
特に大きな成功体験だけでなくてかまいません。ミスなく処理できたことなど、当たり前のことを当たり前にやれたことも成功体験です。
(2) アファメーション
繰り返し耳にした言葉は、私たちの潜在意識に強い影響を与えます。そして潜在意識レベルのセルフイメージ(自分に対する信念)は、私たちの行動をコントロールしてセルフイメージ通りの人生を歩ませようとします。
たとえば、とても緊張しやすいが人がいるとします。この人が「あなたは緊張しそうな場面でも堂々と振る舞って、持てる力を100%発揮できる人間だ」と上司や同僚や家族などから繰り返し聞かされていると、そのようなセルフイメージが形作られていきます。そして、本当にプレゼンなどを自然体で堂々と行なえるようになるのです。
この性質を利用して、自分で自分にポジティブな言葉をかけ続けるのが「アファメーション」です。
朝の洗面時や始業前、あるいは休憩時間に、「自分には成功する力がある」「自分は、○○のスキルを身につけつつある」「自分は、○○の目標を達成できる」「自分はみんなに助けてもらえる」など、ポジティブな言葉を自分に向かって投げかけます。
アファメーションの注意点
この際、「○○したい」とか「将来○○を達成する」というふうに、願望や未来形で表現せず、「すでに○○である」「○○しつつある」というふうに、完了形や現在進行形で表現しましょう。
というのも、潜在意識は時制を理解できないので、「○○したい」「将来○○を達成する」だと、「今は達成できていない」と理解するからです。その結果、達成できないことを証明するようなネガティブな影響力を行使します。
ですから、アファメーションの文章は、目標を完了形や現在進行形で表現するようにしましょう。そうすると、潜在意識がその目標を達成するよう助けてくれます。
(3) パラドックス思考
自分の中の矛盾する性質をうまく組み合わせることで、自分自身の思わぬ強みを見つけ出し、仕事や私生活の課題を解決するためのヒントを見つけます。
まず、自分の性格の特徴や行動パターンを列挙します。そして、その中で矛盾するようなセットを書き出します。たとえば、
- 人に優しい ⇔ キレると怖い
- 人と楽しく会話できる ⇔ 実は一人が好き
- 目標に向かってコツコツ努力する ⇔ 人が見てないと手を抜く
そして、その矛盾セットに面白いあだ名をつけます。たとえば「優しい虎」「孤独なエンターテイナー」「誠実な手抜き工事屋」など。
長くなるのですべては紹介できませんが、研修ではここから自分の強みを見つけ出して生かす方法を考えます。
(4) 武者修行の旅
自分の短所を手がかりに長所を見つけ出します。そして、会場を歩き回りながら、出会った人に自分の長所を自慢し、相手に認めてもらうワークです。最初は照れていた参加者も、終わる頃には笑顔に満ちあふれます。
受講生の感想
メンタルヘルス研修に参加してくださった受講生から、後日感想をいただきました。
Aさん(30代・営業職)
「日々の業務に追われて自分を見失いがちでしたが、研修で教えていただいた『成功体験を記録する』方法を実践しています。少しずつ自信がついてきた気がします。何より、毎晩続けられている自分、すごい!(笑)これからも続けていきたいです。」
Bさん(40代・事務職)
「部下に肯定的なフィードバックをする重要性は知っていても、実際にはなかなか実践できていないのが悩みでした。しかし、まずは教わったとおり、自分で自分をほめたり認めたり励ましたりするようにしたところ、だんだん部下の良いところや可能性が見えてくるようになりました。」
Cさん(20代・技術職)
「アファメーションについては、本で読んだことがありましたが、効果に半信半疑でした。しかし、実際に試してみたところ、以前よりも仕事への意欲が増してきて、上司にもほめられました。」
Dさん(20代・事務職)
「パラドックス思考のワークが面白かったです。自分の中の矛盾を、不誠実さだと考えて責めていましたが、こんなにも大切な宝だったとは! これから、自分のことをもっと大切にしていきたいです。」
まとめ
セルフイメージは、仕事のパフォーマンスを左右する重要な要素です。本記事でご紹介したスキルは、貴社の従業員のセルフイメージも高め、職場全体のパフォーマンス向上につながるはずです。
実際の研修内容は、メンタルヘルス担当者さま、社員研修担当者さまとの打ち合わせの上決定します。ご興味のある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。連絡は、以下の公式サイトからお願いいたします。
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