自分も元気になった「部下の自信を育てる指導法」研修と感想@福島県須賀川市・郡山市
部下が自信を持って業務に当たることは、業績や士気、企業イメージの向上にとって非常に重要です。
私は福島県須賀川市や郡山市をはじめ、福島県内や近隣県の企業・団体・施設さまに依頼されてメンタルヘルス研修を行なっています。その中で多くいただくリクエストが「部下の自信をどうやって育てたらいいか学びたい」というものです。
この記事では、部下の自信をどのように育てて職場を活性化させるか、その方法を解説いたします。
目次
部下に自信を持たせることの重要性
部下が自信を持つことができるような働きかけをしたり環境を整えたりすることは、上司が必ず身につけておかなければならないスキルです。というのも、自己肯定感の高い部下は自らの役割に責任を持ち、積極的に行動するようになるからです。
また、自信が強ければ、さまざまなプレッシャーや困難に直面しても「自分なら何とかやれる」とポジティブに考えることができ、課題を解決するためのアイデアを思いついたり、解決に向けての行動を続けたりすることができます。
また、そうやって自信を持って生き生きと働く社員が多いと、企業イメージが高くなり、社員募集時に応募者が増えたり、取引を求められる数が増えたりします。
管理職や上司は、ただ部下を叱咤して圧力をかけるだけでなく、部下の強みを引き出し、成長を促進する方法を取らなければなりません。そういったアプローチにより、部下は「自分はOKな存在だから、必ずやり遂げられる」と自分の能力や可能性を信じ、やる気を引き出すことができます。
部下の自信を育むための指導法
部下に自信を持たせるために、以下のポイントを意識してみましょう。
ステップ・バイ・ステップの目標を共有する
「小さな成功体験」を積み重ねることで、部下は自分の能力や可能性を信じられるようになり、自己肯定感がアップします。そのため、いきなり高い目標を与えてがんばらせるのではなく、その最終目標を段階的に小分けします。
すなわち、Aを達成したら次にB。それを達成したら次はC…というふうに、階段状に下位目標を構成して、それらを順番に達成していくことで自然に最終目標が達成できるように構成するのです。
そして、まずは「ちょっとがんばればできる当面の目標」にチャレンジするよう励まします。もちろん、達成できたら一緒に喜びましょう。
明確な目標を共有する
部下が目指すべき目標は、「明確である」必要があります。明確だということは、「達成できたかどうかの評価が、誰がどんな気分で判断しても変わらない」ということです。
- 主任は「達成できた」と評価し、課長は「達成できていない」と評価するなど、人によって評価が分かれる目標は不明確です。
- 評価する人の機嫌が良いときには「OK」で、機嫌が悪いときには「ダメ」という評価が付くような目標も不明確です。
明確な目標のフォーマットとして、「SMARTの法則」がよく用いられます。
Specific(具体的)
「がんばる」「努力する」「目指す」といった抽象的な表現ではなく、「~に関する企画書を完成させる」「~を受注してもらう」「~のタスクを完了させる」といった、具体的な行動の形で表現します。
Measurable(測定可能)
契約数、企画数、アポイント数、体重変化など、数値化するということです。
Achievable(達成可能)
その目標が荒唐無稽なものではなく、ちょっとがんばれば達成可能だということです。
Related(関連がある)
その目標を達成したら、その先に何が待っているかということを考えます。その目標が、最終的に会社の理念とか、チーム全体の目標とか、本人の価値観や理想とかと関連があるということ。
Time-bound(期限がある)
目標を達成する期限を設定するということです。
具体的なフィードバックを与える
評価する際、ただ「がんばったね」「よくやったね」といった抽象的な表現でも、部下にプラスの影響力を与えます。
しかし、それにとどまらず、具体的にフィードバックするよう心がけましょう。
- 部下は、目標達成のためにどのような行動をしたのか。
- その行動の結果、どのような成果を上げたのか。
これらを明確に部下に伝え、さらに上司である自分が喜んでいることを伝えることで、部下は自分の努力が認められていると実感することができます。
例えば、「このプロジェクトの進行中、○○君はこまめに顧客に進捗を連絡していたよね。だから、最終で木にプロジェクトの成功したことを評価されただけでなく、『あの人になら今後も安心して任せられる』と言ってもらえて、私も鼻が高かったよ」というふうに。
失敗をポジティブに捉え直す
あなたが完璧でないように、部下も完璧な存在ではありません。必ず失敗します。しかし、失敗をただ責めるだけでは、部下の自己肯定感はどんどん下がってしまいます。
発明王エジソンが白熱電球を完成させるまでに、何百という試作品を作っては失敗を繰り返しました。それを新聞が面白おかしく揶揄したところ、エジソンはすましてこう言い返したそうです。「私は千回失敗したのではない。『こうしたら電球ができない』という方法を千通り学んだのだ」。
そんなエジソンは「失敗は成功の母」と言いました。たとえば、
- 付箋などに用いられる粘着剤は、期待していた粘着力が出せなかった失敗作から生まれました。
- 豚骨ラーメンのスープは、煮込みすぎの失敗作から生まれました。
- コーンフレークは、パン生地を放置してパサパサにしてしまった失敗から生まれました。
部下が失敗したとしても、その部下がダメ人間だという証拠にはなりません。失敗は、別のやり方をしなければならないということかもしれません。今ではなくもっとふさわしい時期を待てということかもしれません。注意すべき点があるということかもしれません。とにかく、失敗から学ぶことができるものはたくさんあります。
失敗から何か大切なことを学べたとしたら、それはもう失敗ではありません。上司であるあなたの仕事は、失敗して落ち込んでいる部下に追い打ちをかけることではなく、その「学ぶことができる何か」に気づかせてあげて、「まだ君は大丈夫だ」と励まし続けることです。
短所ではなく長所に注目する
人の短所と聴者は裏表です。同じ行動パターンが、プラスに働けば長所になるし、マイナスに働けば短所になります。
たとえば、「行動にするのに時間をかける」という行動パターンがマイナスに働けば「グズ」ですが、プラスに働けば「ていねい」ということになりますね。同様に、
- 優柔不断な人は、思慮深くて慎重な人です。
- 怒りっぽい人は、正義感にあふれる人です。
- いい加減な人は、自分にも他人にもストレスを与えない大らかな人です。
- 神経質な人は、細かいところに気を配れる人です。
- 図々しい人は、人の懐に飛び込むのがうまい人です。
- 集中力のない人は、さまざまな方向にアンテナを張れる人です。
さらに、私たちは短所ばかりに目が向きがちですが、短所と真逆の性質もその人の中に確かにあります。と言うか、むしろそちらの方がメインの性格です。
たとえば、嘘つきと思われている人でも、実は本当のことを言っている頻度の方がはるかに高いです。優柔不断と呼ばれる人も、ほとんどの行動はあれこれ考えずに瞬時に決断しています。
同様に、
- 嘘つきな人は、実は正直者です。
- 優柔不断な人は、実は決断力・行動力のある人です。
- グズな人は、実は時間通りに行動できる人です。
- KYな人は、実は他人の気持ちに配慮できる人です。
部下のマイナス面ではなく、プラス面に注目しましょう。そして、それを積極的にその人に伝えましょう。
話を聴く
上司は指示を伝えて部下はそれを拝聴する。上司と部下の関係はどうしてもそのようになりがちです。
だからこそ、あなたは部下の話をじっくりと傾聴してあげてください。相手を変えようとするのではなく、まずは「そっかぁ」「なるほどね」ひたすら聴いて、「それはつらいよなあ」「そいつはがっかりだったね」などと部下の気持ちに寄り添うのです。
そうすると、部下は「自分はこの上司に大切な存在だと思われている」と感じ、自己肯定感が爆上がりします。
ついでに申し上げると、上司であるあなたが部下の話をしっかりと気持ちに寄り添いながら聴いてあげたら、部下も「この上司の話なら喜んで聞きたい」と思い、あなたの指示やアドバイスを真剣に受け止めてくれるようになります。
上司自身のメンタルヘルスを意識する
上司が精神的に余裕を持っていないと、どうしても部下に対して攻撃的な態度を取ってしまいがちです、部下の自信を育てるには、上司自身が精神的に安定している必要があります。
私自身、多くの臨床を経験して痛感しているのは、「自分自身を大切にできる分だけ他の人を大切にできる」ということです。
部下の自信を育てる上司になるため、次のようなことに留意してみましょう。
時間的な余裕を持つ
業務によっては難しいことがあるかもしれません。しかし、指導的立場にあるあなたもできるだけ時間的余裕を持って働くことで、自らのストレスを軽くしておくことが大切です。「忙しい」という漢字は「こころをうしなう」と書きます。
できるだけ余裕を持って働けるような職場環境を目指しましょう。
自分をいたわる時間を持つ
毎日短時間であっても、リフレッシュできたり、「楽しい」と感じられたりするような時間を持ちましょう。
自分も成功体験を意識する
上述のように明確で、ちょっとがんばれば達成できる目標を仕事やプライベートで設けることで、小さな成功体験を積み重ねましょう。
カウンセリングを受ける
ストレスが高すぎて自分自身ではどうしても精神的な余裕を得られないときは、カウンセラーなど心の専門家を頼ってみましょう。特に死にたい気持ちが湧き上がってくるとか、なかなか眠れないなどの症状が出ている方は、精神かなとのメンタルクリニックを受診しましょう。
「部下の自信の育て方」研修とその感想
私は、あちこちの企業・団体・施設さまから依頼されて、メンタルヘルス対策研修を行なっていて、その一環として「部下の自信の育て方」についてもお話しする機会が多いです。
研修後のアンケートでは、「確かに部下が前向きに仕事に取り組むようになった」「これまで覇気を感じなかった部下が、失敗を恐れずいろいろなことに自発的にチャレンジするようになった」などの感想をいただいています。
そればかりではなく、「自分が自分自身の長所や可能性に気づけて、とても勇気づけられました」とか「とても楽しい研修で、終わってからこれまで抱えていたストレスから解放されて気持ちが楽になりました」といった、参加者自身の心が解放されたという感想もたくさんいただきます。
もしメンタルヘルス対策研修の「部下の自信の育て方」講座にご興味があれば、以下の公式サイトからお問い合わせください。担当者様と話し合いの上、講義の内容をカスタマイズさせていただきます。
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