【先延ばし癖を直す方法】面白かった! メンタルヘルス研修と感想(福島県須賀川市・郡山市)
「やらなければいけないのは分かっているのに、つい後回しにしてしまうんです…」。そんな悩みを考える人は少なくありません。
私は、福島県須賀川市を拠点に、郡山市など福島県内、あるいは宮城・栃木・山形など近隣県の企業・団体・施設様でメンタルヘルス研修を行なっています。その際、事前にどんな内容にするか担当者様と打ち合わせますが、上記のような先延ばし癖に悩んでいる従業員の方々がたくさんいらっしゃるようです。
今回は、私がメンタルヘルス研修で紹介している「先延ばし癖を解決するための方法」を紹介します。先延ばし癖に悩んでいらっしゃる方は、ぜひ参考になさってください。
目次
先延ばし癖が起きる原因
まずは先延ばし癖の原因を知りましょう。いくつもの原因が考えられますが、たとえば以下のような原因です。
完璧主義
すべて完璧に準備し、間違いなくタスクを完成させたいと思う傾向が強すぎる場合です。最初の一歩を踏み出すための条件が厳しいため、いつになってもその条件が満たされません。そこで、タスクに取りかかることができないのです。
失敗への不安
自分は結局失敗し、上司や同僚、顧客などの期待に応えられないのではないか、彼らから責められるのではないかと思う場合です。人間は無意識に不快な状況を避けようとしますから、ついついそのタスクに手を付けないまま先延ばしにしてしまいます。
目標達成までの道のりが長い
すぐに結果が出ないようなタスクの場合です。賞賛や報酬などのプラスのフィードバックがない状態で延々と作業し続けるのは結構苦痛です。そのうちにやる気がダウンしてきて、その作業を後回しにして別のことをやりたくなってきます。
タスクの複雑さ
タスクが複雑で、自分が何をどのようにすればいいか分からない場合です。そうすると、結局何もしないまま先送りになってしまいます。
集中力の欠如
SNSや他の社員の言動、別の書類など、タスク以外の物事に気を取られて集中できない場合です。
先延ばし癖克服の基本方針
先延ばし癖を克服するための方法をお話しする前に、基本方針を押さえておきましょう。ここをしっかり理解しておくと、後でお話しする具体的なスキルがなぜ推奨されているのかが理解でき、より効果を上げることができます。
とりあえず始めてみる
あれこれ考えたり、やる気を引き出そうと考えたりするのではなく、まずはそのタスクに取りかかってみます。いったん始めてみると、案外トントン拍子にタスクをこなせるようになっているものです。
締め切りを設ける
締め切りがないタスクは、どうしても先延ばしになってしまいます。それぞれのタスクごとに、自分なりの締め切りを設けます。上司や顧客から請け負った仕事の多くはすでに締め切りが設定されているでしょうが、それでも自分で締め切りを設定し直しましょう。
小さな成功体験を積み重ねる
簡単なタスクから始めると、達成感を味わえてやる気を持続しやすくなります。
完璧主義を捨てる
事前の計画や準備はもちろん必要です。しかし、それらを最初からすべて完璧にしてから手を付けようと思わず、「途中で修正はいくらでも行なうことができる」と考え、作業を始めてしまいましょう。
適宜休息を挟む
長時間作業すると集中力が低下します。適度に休憩を取るようにします。
先延ばし癖克服のための具体的な方法
タスク2分ルール
タスクの2分ルールとは、「2分以内に終わるタスクは、すぐに手を付けてしまおう」という行動原則です。
たとえばメールの返信。1、2通のメールなら、よほど複雑な相談事やクレームなどでない限り、2分以内に返信可能でしょう。
しかし、「今すぐ返信しなくても大丈夫なメール」を放置し続けていると、そのようなメールが何通も溜まって、締め切り間際にたくさんのメールを処理しなければならなくなります。すると、やる気がなかなか上がらず、どんどん先送りしたくなってしまいます。
2分以内に終わる小さなタスクを片付けておくと、長時間取り組まなければならない大きなタスクに集中できるようになります。また、達成感をこまめに味わえるため、やる気の持続にもつながります。
タスクの分割
大きなタスクは、漫然と取りかかるのではなく、まずいくつかの小さなタスクに分割します。これにより、プレッシャーから解放されて無意識の逃避を防げます。
たとえば、プレゼンテーションで企画を採用してもらうという大きなタスクがあるとします。これを小さなタスクに分けるなら、次のようになるでしょう。
- 目的を明確にする
- 聴衆を分析する
- 内容を構成する
- 必要な資料をそろえる
- スライドを作成する
- リハーサルを行なう
- 上司に実演してフィードバックをもらう
- フィードバックを元にブラッシュアップする
- 最終リハーサルを行なう
なお、タスクを分割する際は、頭の中だけでやるのではなく、分割された小さなタスクをノートやアプリのToDoリストに書き出して可視化することが大切です。そうすると、「ここまで完了!」「これも完了!」と次々と達成感を味わうことができるため、やる気が持続します。
ポモドーロ・テクニック
ポモドーロ・テクニックは、タイマーを用意し、時間を決めて集中的にタスクに取り組む方法です。この方法を使うと集中力が持続し、結果的に生産性が上がります。
具体的には次のように行ないます。
- 取り組みたいタスクを選びます。
- タイマーを25分にセットします。キッチンタイマーを利用してもいいですし、スマホアプリにもポモドーロ・テクニック用のタイマーが用意されています。
- 25分間、選んだタスクに取り組みます。よほど緊急事態でない限り、そのタスクに集中します。のっぴきならない用事でタスクを中断した場合には、また最初からやり直します。
- 25分たったら、5分間休憩します。
- 以上を4回繰り返したら、15分~30分休憩します。
環境整備
可能なら、集中できる静かな場所で作業します。また、机回りを整頓し、よけいな刺激を目に入れないようにします。
報酬の設定
タスクを達成したら、自分にごほうびをあげることにします。
公表効果の活用
公表効果とは、他の人に「これをやる」と宣言したことは達成されやすいという現象のことです。これを利用し、自分がこれから取り組むタスクを上司や同僚に公表します。
専門家への相談
どうしても先送り癖が克服できない場合は、何かしらの心理的な課題があるのかもしれません。たとえば、生育歴に起因して権威に対して無意識に抵抗している、ADHD(注意欠陥多動性障がい)の特性があるなどです。心配な方は、心理カウンセラーや精神科医に相談してみましょう。
職場全体の取り組み
個人の努力だけでなく、職場全体の仕組みづくりも先送り癖克服に大きく寄与します。
指示の明確化
やるべきことが明確でないと、何をしていいか分からず混乱して先送りになりがちです。そこで、何かの仕事を指示する場合には、何をして欲しいのか、目的や目標がなんなのかなどを明確に伝えます。
こまめな進捗確認とフィードバック
上司は部下にタスクを投げっぱなしにせず、折々に進捗を確認し、できている点について肯定的なフィードバックをします。期待した進捗でない場合にも、いたずらに責めるのではなく、励ましたり、対策を一緒に考えたりしましょう。それにより、部下のモチベーションがアップします。
心理的安全性の確保
失敗したときに一方的に責められるだけだと、従業員は失敗しないことばかり気にするようになります。すると、無意識にそのタスクを避けたくなって先送りにつながります。
大切なのは失敗しないことではなく、成功することですね。
失敗は次に生かすための学習の機会です。管理職をはじめ会社全体がそのような発想になれば、社員は失敗を気にするのではなく、成功のために何をすべきかを考え実践できるようになります。
メンタルヘルス対策の推進
過度のストレス、不安、うつ病をはじめとする精神疾患、発達障がいなど、心の健康問題は、先送り癖を助長する可能性があります。企業全体として、メンタルヘルス対策を重視し、取り組む必要があります。
なお、私が企業・団体・施設様主催のメンタルヘルス講座を担当する場合、上記のような課題に対する対処法についてお話しすることができます。たとえば、ストレスを軽減するためのマインドフルネス瞑想や4-7-8呼吸法などの簡単なリラクゼーション技法です。
研修内容は、メンタルヘルス対策担当者様と事前に打ち合わせして決定します。「メンタルヘルスのこんな課題について話を聴きたい」と思われた担当者様は、お気軽にお声かけくださいませ。
参加者の声
メンタルヘルス研修に参加してくださった方々から、「先延ばし癖」の講義について次のような感想をいただいています。
- 自分がつい先延ばしをしてしまう原因が分かりました。対処できそうだと思えたので良かったです。
- 完璧でなくてもいいと、自分で自分を許せるようになったら、すぐに取り組むことができるようになりました。
- 受講前は、ダメな自分を見せつけられて落ち込むような内容かと思ってました。しかし、とても楽しいし自信も付きました。
まとめ
社員一人ひとりが先送り癖を克服できたら、本人が成長するだけでなく会社全体の生産性も向上します。
私は福島県須賀川市を拠点に、福島県や近隣県でメンタルヘルス研修の講師を務めています。研修内容についてのお問い合わせは、以下の公式サイトからお願いいたします。
→ オアシス・カウンセリング・サービス公式サイト