部下のメンタル不調を見抜くサインと上司の効果的対処法【須賀川・郡山】
部下のメンタル不調は小さなサインから始まります。上司ができる早期発見のポイントと、無理なく実践できる効果的な対処法をまとめました。
目次
なぜ今「メンタル不調への気づき」が重要なのか

現代の職場では、メンタル不調を抱える社員が増加傾向にあります。厚生労働省の調査でも、精神的な不調による休職や離職は年々増えており、企業にとっても大きな課題です。
特に若手社員や中堅社員の中には、プレッシャーや過剰な業務負担から不調に陥るケースが少なくありません。
ここで重要なのは「上司が初期サインに気づくこと」です。
メンタル不調は、いきなり深刻な状態になるわけではなく、必ず小さな兆候が現れます。
そのサインを見逃さず、適切に対応できるかどうかが、本人だけでなく職場全体の雰囲気や生産性にも大きな影響を与えるのです。
部下のメンタル不調に見られる代表的なサイン

行動面のサイン
- 遅刻や欠勤が増える
- 作業効率や集中力の低下
- ミスの増加
こうした行動面の変化は、疲労や集中力の低下が原因であることが多く、早期のサインとして見逃せません。
感情面のサイン
- イライラや攻撃的な態度
- 落ち込みや無気力の継続
- 感情表現が乏しくなる
感情の揺れは誰にでもありますが、これまでよりアップダウンが大きくなったり長期的に続いたりする場合は注意が必要です。
コミュニケーション面のサイン
- 報連相が減る
- チームから孤立する
- 雑談や会話を避ける
孤立感や疎外感は、メンタル不調のサインとして現れやすいポイントです。
外見や態度のサイン
- 服装や身だしなみの変化
- 表情が硬くなる
- 姿勢や動作に元気がない
上司として毎日接している中で、ちょっとした変化にも注意を向けましょう。
メンタル不調のサインに気づいた時の上司の基本姿勢

メンタル不調のサインを察知したとき、上司の対応次第で部下の状況は大きく変わります。
理解から入る
「最近、部下の調子が悪そうだな」と思ったときに、成績や結果で判断するのではなく、まず「この人のことを理解したい」という思いを持ってください。その上で声をかけるようにします。
環境を整える
安心して話せる環境を整えます。
- 他に人がいない場所
- 秘密は厳守するという保証
- 十分に自分の気持ちを話すことができる時間的余裕
言動に注意する
否定せず、まずは話を聴くことに徹することが大切です。
- 「甘えるな」「気の持ちようだ」などの否定的な言葉は避ける
- アドバイスや励ましよりも、まずは最後まで話を聴く
- 相手のペースを尊重する(沈黙しがちでも急かさない、話すスピードを相手に合わせるなど)
部下とのコミュニケーションの取り方と注意点

効果的な声かけ例
- 「最近ちょっと疲れているように見えるけど大丈夫?」
- 「仕事の負担が大きくなっていないか心配しているよ」
問い詰めるのではなく、「関心を示す」姿勢が大切です。
傾聴と共感を大切に
- 話を途中でさえぎらず、最後まで聴ききる
- 相手を優しく見つめながら、うなずきながら聴く
- 「うん」「そう」「そっかぁ」など相づちを打ちながら聴く
- 「そう感じているんだね」「それはつらいよね」など、共感を示す言葉をかける
アドバイス、提案、励ましなどをしてはならないのではありません。そうする「前に」まず話をよく聴き、つらい気持ちに寄り添うことが大切なのです。そうしてはじめて、上司の言葉が部下の心に届きます。
避けたい言葉
- 「気の持ちようだ」
- 「みんな同じだから頑張れ」
- 「考えすぎじゃないか」
これらの言葉は、どれほど上司の側が善意に基づいていたとしても、これらは部下の心を閉ざしてしまう典型的な言葉です。部下に「この人は私の気持ちが分からない」と思わせてしまうからです。
そして、部下はますます精神的に追い詰められてしまいます。
参考記事
部下とのコミュニケーションの取り方(話の聴き方)については、以下の記事も参考になります。
すぐに実践できる上司のメンタル不調対処法

業務調整
- 優先順位を一緒に整理する
- 業務の一部を他のメンバーと分担する
- 短期的な目標を設定し、小さな達成感を積み重ねさせる
雰囲気づくり
- 雑談や声かけを自然に取り入れる
- 「休みやすい雰囲気」を意識してつくる
- 成果だけでなく努力や工夫を認める文化を育てる
外部リソースの活用
- 人事部、産業医、カウンセラー、外部相談機関との連携
上司自身のセルフケアも忘れずに

部下を支える上司自身も、ストレスを抱えやすい立場です。
上司が抱えるストレスのリスク
上司に精神的余裕がないと、部下に対して知らず知らずのうちに攻撃的になったり、部下のメンタル不調に気づけなかったり、じっくりと話を聴なくなったりします。
上司が元気であることが、職場全体の安定につながります。ですから、上司は自分自身のケアも大切にしなければなりません。
自分自身を守るためのセルフケアのヒント
- 同僚や上司に相談し、気持ちを共有する
- 休日にしっかりと休養する
- 趣味やリラックスできる時間を意識的につくる
参考記事
自分自身のメンタルケアについては、以下の記事が参考になります。
まとめ:小さなサインに気づくことが最大の対処法

メンタル不調は誰にでも起こり得るものです。
上司に求められているのは、特別な資格やスキルが必要な対応ではなく、観察・声かけ・共感・調整といった日常の小さな関わりです。それが部下の回復を助け、職場全体のパフォーマンスを向上させます。
今回の記事が、御社の部下のメンタル不調解消の一助となれば幸いです。

私、増田泰司は、福島県須賀川市を拠点に、郡山市・福島市・会津若松市・いわき市など福島県内、また近隣県の企業・団体・施設様の社内研修に外部講師として呼ばれ、メンタルヘルス対策を中心にさまざまなテーマで教えています。
研修では、ロールプレイやディスカッションなどを交えて、すぐに職場や家庭で使えるスキルを楽しく学んでいただけます。
研修内容は、研修担当者様との事前打ち合わせによって決定します。まずは、以下の公式サイトからお気軽にお問い合わせください。
→ オアシス・カウンセリング・サービス公式サイト